いじめられっ子に捧ぐ俺の青春。 (上)
6 話 初喧嘩?
ボクシングを始めた俺はなかなかにハード
な学生生活を送ることになった。
全国大会へ行く実力を持つテニス部の部
活 は朝も早く、7時から朝練が開始だ。
朝からランニングに筋トレ、玉拾いと
チャイムの鳴る9時まで練習した後は当然
授業。
不良行動に目を瞑って貰うには、授業も
かかせない。
続いて昼休み、ここは気まぐれだが部員
に誘われれば練習も行かねばなるまいて。
人気者こそ、カッコイイ不良の代名詞だ
からな。
そしてそして、メインディッシュは放課
後の部活、大体夜の8時までシゴかれる。
更に極め付けに…
家からチャリで30分かけ、ジムに行った
と思ったら、一山走らされ…
ボコボコにされ家に帰れば、夜の11時と…
冷凍の中華丼を温めて出してくれる母が
女神に見えたものだ。
とんでもない筋トレメニューではあった
が、俺はどうやらMの気があるようで…
いやいや違う、カッコイイ不良になるた
めにと俺は必死で自分を追い込んだんだ。
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ハードな日々にも慣れて、学年で俺はそ
こそこの位置を確立していた。
ある日、俺は隣のクラスのデブ (焼き肉屋
の跡取り息子)とふざけあっていた。
やはり太っているので例によってプニプニ
やりまくっていたのたが、ついにそいつ
は「止めろよ、バカ」とふざけ半分で怒り
出したのだ。
まぁ、普通はそうだよな。
むしろふざけて怒る辺りに優しさを感じる
程だ。
だが…この頃の俺は調子に乗っていた。
この俺に向かって、「バカ」と言ったそい
つに俺の最速パンチが飛んだ。
そいつはそのまま床に倒れ、血を流してい
た。
その後は…大変だった。
右目は青く腫れ上がり、原形が分からな
い。
相手の両親に単身で謝罪を入れ、なんとか
許しを得たが、奴との関係には若干の亀裂
が入った。
ただ、得る物も大きい。
俺の名はついに先輩方に届くまでになった
のだ。