三周年記念小説
第四話∫襲撃・拉致
〈亮太視点〉
それは突然だった。
恵が帰って来てから
半年を迎えようとしていた
ある真冬の夜のこと。
たまたま、
俺は一人で家に居た。
寝るには少し早いが
来客が来るには遅い
午後十一時頃にチャイムが鳴り
時たま来る友人かと思って
開けたのがいけなかった……
開けた瞬間、
抵抗する間もなく殴られた。
一瞬、あの女性が
居るのが見えて
朦朧とする中で
何となく理解でき
俺も弱くはない
はずなんだが
流石に不意打ちでは
反応しきれなかったなぁと
思いながら意識を手放した。
‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡
次に目を覚ましたのは
何処かのビルの一室。
部屋の中には俺一人らしい。
縛られているものの
服装はさっきのままだ。
ということは、
貴重品は盗られて
ないかもしれない。
これは、
俺が恵たちに
監禁されるかななんて
痛む頭でそんな
呑気なことを考えている。
取りあえず、この縄を
どうにかして外さなきゃだよな。
月明かりが照らす
部屋の中を見渡してみると
机の上のペン立てに
カッターがあった。
使えるか……
動きづらいが何とか
たどり着き、
口でそれを取り出し
足で刃を出して
また口にくわえて
縄に押し付けて上下に動かした。
少々時間はかかったが
何とか切ることに成功した。
自由になった手で
ポケットを探ると予想通り
貴重品は盗られていなかったが
のんびりとしている暇はない。
周りにの気配を探りながら
携帯を内ポケットから取り出し
恵にワンコールだけして仕舞った。
数分後マナーにしていた携帯が
メールの受信を
知らせるように短く震えた。
送り主は恵。
[何かあったのか?]
それは突然だった。
恵が帰って来てから
半年を迎えようとしていた
ある真冬の夜のこと。
たまたま、
俺は一人で家に居た。
寝るには少し早いが
来客が来るには遅い
午後十一時頃にチャイムが鳴り
時たま来る友人かと思って
開けたのがいけなかった……
開けた瞬間、
抵抗する間もなく殴られた。
一瞬、あの女性が
居るのが見えて
朦朧とする中で
何となく理解でき
俺も弱くはない
はずなんだが
流石に不意打ちでは
反応しきれなかったなぁと
思いながら意識を手放した。
‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡
次に目を覚ましたのは
何処かのビルの一室。
部屋の中には俺一人らしい。
縛られているものの
服装はさっきのままだ。
ということは、
貴重品は盗られて
ないかもしれない。
これは、
俺が恵たちに
監禁されるかななんて
痛む頭でそんな
呑気なことを考えている。
取りあえず、この縄を
どうにかして外さなきゃだよな。
月明かりが照らす
部屋の中を見渡してみると
机の上のペン立てに
カッターがあった。
使えるか……
動きづらいが何とか
たどり着き、
口でそれを取り出し
足で刃を出して
また口にくわえて
縄に押し付けて上下に動かした。
少々時間はかかったが
何とか切ることに成功した。
自由になった手で
ポケットを探ると予想通り
貴重品は盗られていなかったが
のんびりとしている暇はない。
周りにの気配を探りながら
携帯を内ポケットから取り出し
恵にワンコールだけして仕舞った。
数分後マナーにしていた携帯が
メールの受信を
知らせるように短く震えた。
送り主は恵。
[何かあったのか?]