三周年記念小説
第一話∫衝撃的事実
〈亮太視点〉
ある日を境に
弟で恋人だった
恵太が突然居なくなった。
共通の友人や従姉妹、
あいつの学友にも聞いたが
誰も知らないと言っていた。
月日は流れ、あれから五年。
あいつの学友は
最初の頃は協力的だったが
二年目で捜すのをやめた。
ずっと一緒に捜してくれたのは
共通の友人・文也と
従姉妹の胡桃だけだった……
『亮ちゃん、しっかり』
胡桃や文也に励まされながら
色々な人脈を使って
啓太の居場所を捜し、
住所が判明するまでに
五年もかかってしまった。
『亮くん、此処ですね』
俺たち三人が居るのは
ある一軒家の前。
『チャイム押すよ?』
胡桃が俺に確認をとる。
「あぁ、頼む」
自分で押す自信はないし、
二人もそれを
わかってくれている。
ピーポーン
「は-い」
中から聞こえてきたのは
若い女性の声。
『突然すみません、
こちらに流合恵太さんが
居ると伺ったのですか
今、いらっしゃいますか?』
少しイラだった声で話している。
「えぇ、居ますが
どちらさまでしょうか?」
当たり前の反応だ。
『これは失礼しました
恵太さんの従兄弟で
志築文也といいます
五年前に居なくなってしまった
啓太さんをずっと
捜してたんですよ』
文也の後ろに居る俺と胡桃は
声色だけではわからない
文也のイライラを背中越しに
感じて夏だというのに
寒気がした。
「わかりました
とりあえずお入り下さい」
玄関が開き、リビングに通され
入ってすぐのソファーに
恵太が座っていた。
「アニキ……」
五年振りに呼ばれて
嬉しいはずなのに
俺は硬直したまま
動けずにいた。
ある日を境に
弟で恋人だった
恵太が突然居なくなった。
共通の友人や従姉妹、
あいつの学友にも聞いたが
誰も知らないと言っていた。
月日は流れ、あれから五年。
あいつの学友は
最初の頃は協力的だったが
二年目で捜すのをやめた。
ずっと一緒に捜してくれたのは
共通の友人・文也と
従姉妹の胡桃だけだった……
『亮ちゃん、しっかり』
胡桃や文也に励まされながら
色々な人脈を使って
啓太の居場所を捜し、
住所が判明するまでに
五年もかかってしまった。
『亮くん、此処ですね』
俺たち三人が居るのは
ある一軒家の前。
『チャイム押すよ?』
胡桃が俺に確認をとる。
「あぁ、頼む」
自分で押す自信はないし、
二人もそれを
わかってくれている。
ピーポーン
「は-い」
中から聞こえてきたのは
若い女性の声。
『突然すみません、
こちらに流合恵太さんが
居ると伺ったのですか
今、いらっしゃいますか?』
少しイラだった声で話している。
「えぇ、居ますが
どちらさまでしょうか?」
当たり前の反応だ。
『これは失礼しました
恵太さんの従兄弟で
志築文也といいます
五年前に居なくなってしまった
啓太さんをずっと
捜してたんですよ』
文也の後ろに居る俺と胡桃は
声色だけではわからない
文也のイライラを背中越しに
感じて夏だというのに
寒気がした。
「わかりました
とりあえずお入り下さい」
玄関が開き、リビングに通され
入ってすぐのソファーに
恵太が座っていた。
「アニキ……」
五年振りに呼ばれて
嬉しいはずなのに
俺は硬直したまま
動けずにいた。