★甘えん坊な彼★~夢璃争奪戦~
「夢璃、大丈夫だって!」

俺は言った。

「すーはぁー…。
すー…、はぁー…。」

……聞いてない。


「はぁー!楽しみっ!
まだかしらっ!」

夢璃とは、正反対で
とても楽しみにしてる奴がいる。

後ろから聞こえる。

聞き覚えのある声。

俺は、後ろを振り向いた。

「あっ……。」

最悪だ。……最悪。

なんで……?

なんで遥香先輩がいるんですかっ…!


「出発しまーすっ♪」

係員が言う。

「…えっ!?心の順番がっ…!」

夢璃がそう言った途端に動き始めた。

「しゅっ…愁君っ!
無理ですっ!
無理無理っ!無理無理ー!」

夢璃が必死に言う。

「夢璃…。……遅い。」

俺は言った。

「早く、てっぺん行かないのー!?」

遥香先輩の声がする。

…どうか夢璃に聞こえませんように。


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