★甘えん坊な彼★~夢璃争奪戦~
夢璃争奪戦3
――夢璃――

――六時間目

何にも頭に入ってこない。

「愁君のバカー。」

頭を伏せてずっと、そう言っていた。

これからも、朝登校してくれる?
って聞きたかったのに。

明日から、愁君と登校できないのか…。

「ヤダ……。」

そんな独り言ばっかり言っていた。


あっという間に何にもせずに、
六時間目が終わってしまった。

「はぁ…。」

ため息をついていると、

「放課後さ、話あるんだけど。」

「ん……?」

顔を上げると戒斗だった。

「泣いてんの?」

戒斗が聞いてきた。

「泣いては、ないよ…。」

そう言って笑った。

「大丈夫か?
無理に笑うなっつうの。」

そう言って、頭をつつかれた。

「そんなことない…、よ。」

私は言った。

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