★甘えん坊な彼★~夢璃争奪戦~
――愁二――

「はぁ…。」

最悪だ。

「何、さっきから
ため息ばっかついてんだよ。」

弘史が言った。

今、六時間目の終わり。

あんな事言わなきゃよかった。

「俺、馬鹿だ…。」

俺は言った。

「そうかそうか。

ってか、
あれはどうなったんだよ、あれは。」

完全流したなコイツ…。

「俺の話ちゃんと聞いてよね!」

「聞くから、言ってよ。」

弘史が言った。

「なんか、冷たっ!」

「えっ…?
いつもどおりなんだけど…!?」

「…俺さ、夢璃好き。」

「……いきなりだな、おい。
何があったんだよ。」

「もう、いいしっ!」

俺は言った。


「どっちだよ……。」


< 179 / 229 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop