★甘えん坊な彼★~夢璃争奪戦~
「坂上君の家、初めて来たー!」

そうだろうね…。

基本、夢璃しか上がらせないし。

「坂上君の部屋みたいー!」
「それあるっ!」

次々に言う。

「二階上がって右の部屋だから。
先に上がってて!」

「分かったー!」

そう言って、貰ったお菓子をあけた。


上に上がったのを確認して、
リビングのソファーに座った俺。

「面倒くさっ!」

お菓子をさっそく食べながら、
1人でつぶやいた。

「おい、あの子達は
どういう風のふきまわしで…?」

俺は、声がした方を見た。

「お帰りなさーいっ♪」

兄ちゃんだ…。

「居たの?」

全然気づかなかった。

「うん。俺、気配消せるから。」

兄ちゃんがそう言って笑った。

「あそ…。」

俺は言った。

「って、あの女の子達はなんだよ!?
ついに、兄ちゃんの真似でも始めたか?」

兄ちゃんが言った。

「いや…。
兄ちゃんの真似だけは、したくない。」

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