★甘えん坊な彼★~夢璃争奪戦~
「夢璃の事なんか忘れて、
楽しんでるかもね。」

祐璃が笑顔で言った。

「意地悪…。」

私は言った。


「早く気づいた方がいいと思うけど?」

祐璃が言った。

「何に?」

「自分の気持ちに。
見てるだけで俺は、分かるよ。」

祐璃はそう言って、
私の部屋から出て行った。

「ん…?」

私はわけが分からずにいた。

1人部屋に残された。


お姉ちゃんと遊ぶって言ったくせに。

さっきあった事を振り返ると、祐璃は
優しくなったな…なんて。

彼女ができたら
あんな風に守るのかな…とか。

祐璃ってやっぱ人気者なんだな…。

いつの間にか成長した弟にびっくりした。
成長したと言うより、変わった…?

どんどん、
かけ離れて行くような気持ちになった。


前もこんな気持ちになったな。

中学校に入ったと、
同時に愁君が人気者になっちゃって。

小学校から、分かっていたけど…
それとは違って…。

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