★甘えん坊な彼★~夢璃争奪戦~
「早くしなさいっ!愁二君、ごめんねー。」
うるさいな…。
「あ、土曜日出かけるんでしょ?
早く、言いなさいよっ♪」
お母さんは、笑顔で言った。
ちゃっかり、許しもらってやがる…。
「行ってきます。」
お母さんの言葉を無視してドアを閉めた。
「おはよー。」
そう言って、いつものように抱きついてきた。
「おはよ。」
なんか疲れて、離れてなんて言う気力もない。
そういえば今日は足が重く感じる‥‥。
「夢璃、大丈夫?」
目の前で手をひらひらしてきた。
「大丈夫っ…。」
私は、笑って言った。
「もう、遅れるねー。」
他人事に聞こえるのは私だけ…?
「走っても間に合わないし……。
ゆっくり、行こっか。」
本当は、遅刻なんて嫌だけど今は走りたくなかった。