★甘えん坊な彼★~夢璃争奪戦~
「良かった…。」
あれで、ブーイングなんて起こったら、
人生で最悪の日になってたよ。
なんて、思って自分の席に向かった。
すると……
「ちょっと、待ちなさい。遅刻でしょ?」
先生を忘れていた。
しかも、音楽の時間に遅れるのは三回目だ。
さすがに、怒るよな…。
「遅刻です。」
けど、なにか?的なノリで、言ってみた。
「あなた、これで何回目?」
先生が問いかける。
「………。」
俺は、指を折り曲げながら数えた。
「知らないっ。」
なんて、笑って言ってみた。
「廊下に立ってなさい。」
怒っちゃったよ…。
冗談が通じない先生だな…。
「はいはい。」
立ってればいいんでしょっ!
――ガラっ
ドアが目の前で閉められた。
「だるっ…。」
俺は、そう言ってドアを蹴った。