★甘えん坊な彼★~夢璃争奪戦~
本当に今日は、ついてない。
「はぁー…。」
大きな溜め息をついて、夢璃の教室を見てみる。
「あ。」
夢璃がちょうど、こっちを見ていた。
目が合った。
隣にいる奴を見つけると目を逸らして、座り込んだ。
また、アイツいるし。
夢璃に近づくなよ。
「昨日から思ってたけど、アイツ夢璃のなんなの?」
夢璃の隣にいた男が聞く。
お前には、関係ないじゃん。
「近所の子で幼なじみなの。
夢璃のせいで、愁君も遅れたから…。」
そう言って、夢璃は下を向いた。
――近所の子で幼なじみ
その言葉だけが、俺の頭に響いた。