★甘えん坊な彼★~夢璃争奪戦~
「お前が、泣かせた?」
そう言って、智希は戒斗を睨みつける。
「俺がそんな事するはずねぇし。
知らねーよ。」
戒斗は、言った。
「大丈夫?」
遥香が優しく言う。
「…大丈夫っ。
廊下に立たされて嫌だっただけ。」
こんな事で泣いてたら、迷惑だ。
「なら、良かったわ。」
遥香がそう言って、笑った。
「ありがとう。」
さりげなく、音楽室の前を見た。
愁君の姿はなかった。
もう、教室戻ったんだ。