★甘えん坊な彼★~夢璃争奪戦~
「あの言い方は、ないでしょ。」
山口が言った。
「考え事があるし、疲れてんだよ。」
「なんか、あったわけ?」
「うん、ありまくりだね。」
「なんだよそれ。」
「知ってる?
俺さ、今日人生で一番最悪な日なの。」
俺は、言った。
「なにがあったんだよ。大丈夫?」
「だからー、ありまくりだってばっ!
しかも、全っ然大丈夫じゃないっ!」
「何があったか教えろよ。」
山口が言う。
俺は、朝の事と廊下に立たされていた時の事を話した。
「アイツの事を優しいとか言ってるし…。
仲良く廊下に立たされてるし。
それに……。」
――近所の子で幼なじみ。
「分かってるし!」
俺は言った。
どうせ、思ってるのは俺だけ。
分かってるはずなのに、その言葉だけが頭をグルグル回る。