★甘えん坊な彼★~夢璃争奪戦~
――愁二――

ほんの、何分か前。

人生で最悪な日なんて言ってたけど、最高の日かもしれない。

このまま時が止まればいいと本気で思った。


「じゃあ、夢璃の好きな所連れて行ってあげる。」

俺が笑って言った。

「本当!?じゃぁ、考えとくっ!」

夢璃が嬉しそうに言う。

可愛すぎです。


――キーンコーンカーンコーン

授業の終わり。
俺は、1時間サボった事になる。

本当は、このまま居たい所だけどね?


「そろそろ、帰るよ。」

俺は、言った。

「だったら、夢璃も教室戻る。」

「夢璃は、寝てないと。」

そう言って、俺は夢璃から離れた。


「もう、大丈夫!熱、下がったっ!」

「本当?」

「それに、保健室に1人も寂しいっ。」

夢璃が、言った。


「じゃぁ、帰る?」

「うんっ!」

そう言って、夢璃が俺の手を握ってきた。


あぁー。

もう少し、抱きしめとけば良かった…。



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