★甘えん坊な彼★~夢璃争奪戦~
「ねぇっ!夢璃先輩って………。」
俺が聞こうとした時…
――キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴った。
「あぁー!俺の大事な給食時間がーっ!」
智希先輩が叫ぶ。
「賭けに勝ったから、奢ってもらえるんだったのに。」
松山が言う。
「あんたらがさっさと言わないからよっ!」
遥香先輩が叫ぶ。
「夢璃のせい…?」
ずっと、みんなが言い争いをしていた。
「夢璃、バイバイー。」
俺は、夢璃だけに手を振って弘史と教室に戻った。
「結局、聞けなかったじゃんっ!
しかも、昼ご飯食べれなかった…。
…俺って存在感薄い?」
…きっと、あと一週間は、言ってるな…。
「いいよ、帰りに聞くからっ!
俺が聞く方が早いしっ。」
「俺って役にも立たないんだ……。」
「………そんな事無いって!
弘史には、良い所たくさんあるよ!」
「例えば…………、あれ?
まぁ、いろいろね…。ははっ。」
焦って何も出てこなかった…。