未来からの贈り物



6月5日

武田 観柳斎の隊が、古高俊太郎を捕縛した


土方さんと近藤さんが蔵へ入るのを確認し、莉奈も入った


土方「っっっ!!! 何やってんだ!!! 出てけっっっ!!!」


古高は莉奈を見て目を見開いた


古高「……………天女…………」


莉奈「初めまして。古高俊太郎さん」


全「っっっ!!!」


莉奈「近藤莉奈と申します。以後お見知りおきを………。私は長州の先も見えてます。 私が幕府にいる限り、そちらに勝ち目はないかと………」


古高「日本の為だ」


莉奈「知ってます」


古高「話さなくとも先が分かってるなら聞かずとも良かろう」


莉奈「そうですね」ニコッ!


土方「おぃっっっ!!!」


莉奈「拷問は必要ありません」


土方「じゃあお前が話すんだな?」


莉奈「良いですか?古高さん」


古高「あぁ……」


莉奈「強風の日を選んで京の町に放火。
その混乱の中、八月十八日の政変の立役者である中川宮と松平容保を討ち取る。
さらに御所から避難する孝明天皇を奪って長州に連れていく

他に付け足すことはありますか?」


古高「こちら側に来い」


莉奈「……………………………。
その方が私は幸せになれると……?」


古高「俺らが幸せになるだろう」


莉奈「もうじき私は御所へ移動するので、残念ですがそれは出来ません」


古高「会合場所も知ってるんだな」


莉奈「あなたはどちらでやるか知らないでしょ?」


古高「どちら……とは?」


莉奈「池田屋か四国屋」


古高はピクッと肩を揺らした


土方「拷問の手間が省けた。莉奈……出ろ」


莉奈「拷問にかけたらこれ以上の情報は提供しませんから………」


莉奈は、古高に湯呑みを渡した


莉奈「暑いから飲んで下さい」


古高「毒入りか……………」


莉奈「……………………………。
馬鹿ですか?殺す気なら拷問を止めると思いますか? 馬鹿ですね。大馬鹿です」

額をデコピンした莉奈


古高「無礼者っっっ!!!」


莉奈「無礼者はどっちですか!!!
莉奈様がわざわざ俊太郎の為だけに飲み物を用意してやったのに、毒を盛ったと言ったのはどこのハゲだ?」


古高「誰だ」


莉奈「……………………………。
あなたですよ………。お馬鹿さん。」


古高「ハゲでも馬鹿でもない。そして……名前を呼ぶな」


莉奈「何故です」


古高「ハゲておらぬ!!!馬鹿でもない!」


莉奈「ふぅ〜〜〜ん…。はい。飲んで」


古高「チビッ! 何だこれは……。」


莉奈「暑い日や激しく体を動かし、汗をかいた時にコレを飲むんです。」


土方「島原へ持って行くか」ケラケラ





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