未来からの贈り物
莉奈「莉奈です。」
土方「入れ」
莉奈「あ……近藤さんも……。失礼します」
土方「もうじき慶喜公が見える。支度は済んでるか?」
莉奈「はい」
土方「よし。 で?何だ………」
莉奈「お礼を言いに……。
近藤さん。土方さん。
今までありがとうございました。感謝してもしきれません。新撰組から受けたご恩は必ず返します。 近藤莉奈。日本の為に……新選組を大きくする為に……行って参ります」
三つ指ついて心からの感謝の気持ちを伝えた。
近藤「う……莉奈……。済まないな…。俺に……力が無いばかりに……」
肩を震わせながら涙を流す近藤さん
土方「ゴホンッ!早く…………
戻ってこいっっっ!!!」
土方は喉の奥で込み上げる物を抑えて喋るが、最後の言葉は……声が裏返った
土方は……初めて莉奈の前で涙を流した
ギューーーーーー
土方「見るな…………………」
莉奈「何も見えてません」
ザーーーーーーーーーーーー
土方「誰にも言うな………」
莉奈「何も見てませんから……うぅ…」
ーーーーーーーーーーーー
「一橋慶喜公がお見えになりました」
近藤・土方「今行く」
莉奈「涙を止めてから行きます」
土方「遅くなるなよ?」
莉奈「はい」
……………………………………
ふぅ〜〜〜〜〜〜………行きたくない。
体育座りになり、膝に顔を埋めて涙を吸収させる
暫くして、漸く涙が止まり、懐から手紙を取り出し、土方の文机に置いた。
これから新選組に起こる出来事が書かれている。
マル秘と表に書いてある
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莉奈は意を決し、部屋を出て客間へ向かった
莉奈「莉奈です」
近藤「入れ」
スーーーーーー
慶喜「…………………不細工だな……」
莉奈「昨日から泣き通しですから……」
慶喜「知ってる。土砂降りだったからな」
莉奈は辺りを見回すが………
莉奈「…………………………」
総司がいない…………………。
幹部達も…………………………。
皆には涙のお別れを済ませたが……
淋しい…………………。