未来からの贈り物



慶喜「側用人の平岡円四郎、中根長十郎、原市之進。啓蒙思想家の西周。
覚えろ。 良いな?」


莉奈が頭を下げると、彼らもまた頭を下げた

一橋家は、大名ではないため、家臣団が存在しなかった

 側用人の平岡円四郎、中根長十郎、原市之進。他に「日本資本主義の父」と呼ばれる、渋沢栄一が、慶喜の側近。


慶喜「禁裏御守衛総督とは幕府の了解のもと、朝廷によって禁裏を警護する為に置かれた役職のこと。

禁裏とは、この京都御所の事だ。大坂湾周辺から侵攻してくる外国勢力に備えるため、摂海防禦指揮という役職にも同時に任命されている。

元治元年3月25日、将軍後見職を免ぜられ、同時に禁裏御守衛総督に就任。

朝廷から任命された役職だ。

配下に京都守護職の松平容保、京都所司代の松平定敬らを従え、江戸の幕閣達から独立し、 在京幕府勢力の指導的役割を果たす。

これが、俺の仕事だ。 分かったか?」


莉奈「……………………………。
いいえ……全く……。難し過ぎます」


慶喜「……………………………。」


莉奈「仕事のことは分かりませんが、一つ言えるのは、薩摩藩を死に変えても幕府から手放してはいけないこと……。

それから公武合体を必ず成功させること。

天皇が攘夷を命じても、必ず説得し、開国させること。


尊皇は大事ですが、攘夷は必要ない。」


慶喜「ほぅ………攘夷を命じられていることを知っていたのか……。」


莉奈「政権は天皇に返上するにしろ、幕府がやるにしろ、天皇を敵に回す事の無いように………。

薩摩藩を幕府から手放したら……幕府は堕ちます」


全「っっっ!!!」


莉奈「いくら私に先が読める力があっても……動くのはあなた方です。私に世を変える力はないからね」


流石天女!と、囃し立てる家臣達。


莉奈「薩摩とは手と手を取り合い、公武合体を進めて。刻限は迫ってる」


慶喜「誠かっっっ!!!」


莉奈「失敗すれば幕府は堕ち、大きな戦が待っています。そして……慶喜……。失敗に終わり戦になったとしても、絶対に……戦半ばで逃げ出すな……。お前の為に何万もの兵が戦う。お前も最後までちゃんと戦え。 逃げたら……私は新撰組に戻る」


家臣「慶喜公に何て言い草っっっ!!!無礼にも程があるっっっ!!!」



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