未来からの贈り物
舞鶴港に着いた時……馬に乗った慶喜と取り巻きがいた
近藤が最初に降り、莉奈の荷物と刀を持って降りた………
刀を近藤が持っているのを見た慶喜は眉間に皺を寄せ、怒りを露わにする
慶喜「莉奈を出せっっっ!!!」
近藤「……………………………。
申し訳ございません」
頭を下げる近藤……………
慶喜「………死んだのか………?」
土方「此方に来た時の様に……舞い上がり……消えてしまいました。駆け付けましたが……間に合わず………申し訳ございません」土方も頭を下げる
慶喜「……………………………。
先ずは……戦況報告を………。」
近藤「連合軍相手に日本国は惨敗。
莉奈がエゲレス語を話せたので二日目に降伏。後に米国の指揮官デヴィッド・ストックトン・マクドゥガルにより、開国を莉奈に命じました。莉奈はそれを了承。 連合軍は……横浜港へ向け、出港致しました」
慶喜「……………………………。
莉奈は……戻れるのか………?」
近藤「それは分かり兼ねます……。が、舞い上がる莉奈は帰りたくないと……泣き叫びながら消えてしまいました。
我々は……帰ることを願い、待つつもりでおります」
慶喜「荷物は此方が預かる」
近藤さんが荷物と刀を慶喜に渡した。
取り巻きが受け取ると慶喜は手綱を持った。
総司「待ってください!!!」
慶喜「何だ……」
総司「一橋殿は……莉奈を好いているのですか」
慶喜「愚問だな」
総司「……………………………。
開国が出来たら……組に返して下さい」
慶喜「お前は莉奈の何だ」
総司「……………………………。
私は莉奈を好いてます」
慶喜「ほぅ……。莉奈もか………」
総司「………………………はい」
慶喜「戦の間……何もなかったよな?」
土方「莉奈とは部屋が違うので。沖田は我々と共におりました」
慶喜は一瞬怒りを露わにしたが、直ぐに真顔に戻り
慶喜「莉奈は御所にいた方が楽な暮らしが出来る。何不自由なく暮らした方があいつにとって幸せだとは思わぬか?
お前は俺と戦って俺に勝てるものがあるか………」
総司「……………………………。」
慶喜「あいつを幸せにしたいと思うなら……諦めるのが懸命だろ」
総司は唇を噛み締め、悔しさを飲み込む。
慶喜「莉奈が戻ったら引き渡せ。帰るまでは俺が孝明天皇と話す」
近藤「はっ!」頭を下げる近藤さん。
慶喜は馬の腹を蹴り、駆け出した。
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