未来からの贈り物
莉奈「山南さん。莉奈です」
山南「どうぞ」
スーーーーーー
莉奈「失礼します………。ただいま戻りました」
山南「下関戦以来ですね」
莉奈「無事に戻りました。総長である山南さんに質問なんですが……、尊皇開国は無理ですか?」
山南「攘夷である私に聞くのですか?」
莉奈「下関戦を見て、どう思ったかな……と」
山南「(クスッ!)攘夷の無意味をですか?」
莉奈「長州藩は尊皇攘夷なのに……何故天皇を殺すのでしょうか………」
山南「はぃ?」
莉奈「孝明天皇は伊藤博文に暗殺されるんです。幕府が暗殺するならわかりますが、長州藩が?それは時代の違う私だけがわからないんでしょうか? 次の明治天皇も暗殺されてすり替えられる説があるんです。 何故でしょう?」
山南「……………………………。
何故でしょう…………?」
莉奈「山南さんですら……分からないのですか………。私には理解出来ない事かと思いました………」
山南「……………………………。
孝明天皇が幕府に着く事を恐れたのでしょうか…………」
莉奈「……………………………。
それって尊皇と言って天皇を利用した……って事でしょうか………」
山南「分かりませんが……恐らく……」
莉奈「尊皇攘夷を掲げるあなたは……悲しいでしょうね………」
山南「……………………………。
ですが、もう攘夷の無意味を知りましたしね……」
莉奈「どうすべきだと思いますか?」
山南「あなたは先ず開国に力を入れるべきです」
莉奈「明後日には御所に行きます。
ですが……私は尊皇攘夷をどうしても理解出来ないんです」
山南「幕府が必要だと?」
莉奈「尊皇は良いんです。だったら長州藩は何故天皇を尊ぶ行いをしないのでしょう?」
山南「……………………………。
矛盾していると?」
莉奈「………。私はこの時代の人間ではないから矛盾だと思ってしまうのではないかと思って………。」
山南「あなたの時代は……?」
莉奈「幕府が無く、開国し、同盟を組み、連合軍として戦をしていた時代もありました」
山南「成る程……。」
莉奈「良き日本文化を残し、良き外国文化を取り入れたら日本はもっと強くなります」
山南「あなたはあなたがやりたいようにやれば良いんです」
莉奈「長州側とも話したいですね……」
山南「あなたは……何にでも首を突っ込むのですね」クスッ!
莉奈「ははははは。 あのですね……相手の意見も聞かずに否定は良くないかな………と………」