未来からの贈り物
莉奈「良かったです。健康がなければ何も出来ないですからね……。頑張りましょうね!」ニコッ!
家茂「そうだな」
慶喜「若いんだから気張れよ?」
家茂「あぁ……」
莉奈「私も開国の為に頑張りますね?
では……そろそろ失礼しますね。
また来ます」
慶喜と二人、立ち上がり、部屋を出た
側近が部屋の前にいた。
莉奈「もう少し警護を増やして……厠に入る時もまず下を確認して。食べ物は毒味を。」
側近「何かあるのですか……」
莉奈「ん。まぁ。気を付けて」
慶喜「警戒体制を取れ。莉奈は先が読めるんだ。気を付けろ」
側近「はっ!」
慶喜「帰るぞ」
慶喜が莉奈の手を取り一歩前を歩いた
莉奈「離してよ」
慶喜「?」
莉奈「手。離して」
慶喜「何故だ」
莉奈「恋仲じゃないから」
慶喜「煩い。行くぞ」
莉奈「……………………………。
総司が嫌がる事はしたくないんだけど」
慶喜は莉奈の言葉を無視して歩く
馬に乗り、ゆっくり御所へ向かった
莉奈「屯所移転と医者はどうなってる?」
慶喜「屯所は不動堂に建ててる。少し遠いが、広くて住みやすい。医者は手配済み。不動堂移転後直ぐに配置する。武器の調達は……難航中だ。鎖国していたから高く売り付けてくるんだ。」
莉奈「長崎にグラバーがいる。彼に交渉してみようか……」
慶喜「お前はいい。」
莉奈「刻限が迫ってます。早く調達し、幕府軍に訓練を……。
天皇を守らないと……幕府軍は賊軍になるよ」
慶喜「っっっ!!! 早急に何とかする」
莉奈「お願いね。出来るだけ穏便に済ませたい。それから西郷さんと松平さんに会いたい」
慶喜「分かった。お前、仕事となると顔が変わるな」
莉奈「仕事じゃないですけどね。給金貰ってませんし…。」
慶喜「金が欲しいのか?」
莉奈「……………………………。
欲しくないと言ったら嘘になる」
慶喜「何に使うんだ」