未来からの贈り物
莉奈「史実では……あと3年で新撰組は壊滅します。幹部はほぼ死にます。近藤さんも。 もしもの事を考えて、この先一人で生きて行く蓄えが欲しい」
慶喜「っっっ!!! 誠か………」
莉奈「うん」ニコッ!
笑ってはいるが、目には涙が今にも零れそうだ
慶喜「沖田は……」
莉奈「総司も……三年後。」
慶喜「っっっ!!!
……………………………。大丈夫か?」
莉奈「だから幕府軍に勝たせる。私の我儘なんだけどね。日本を守るとか偉そうな事言ってるけど……結局は私の為なの。 ゴメンね。嘘ばっかついて……。
土方さん以外は何も知らないから、慶喜も他言無用で……」
慶喜「幕府は負けるのか」
莉奈「薩摩を取られたら……負ける」
慶喜「……………………。分かった。
肝に命じておこう」
莉奈「その頃には刀ではなく、銃や大砲の戦です。 長州は最新式。幕府軍は旧式。敗因はそこにあるんです。」
慶喜「ずっと……御所にいろ……」
莉奈「開国までいったら私は普通の女として生きて行きたいんです。幼い頃から常に人に見られて来たんです。
正直、疲れました」ニコッ!
慶喜「……………………………。」
莉奈「贅沢な暮らしはいらない。質素で良いんです。笑っていられればそれで良いんです」
慶喜「幸せは戯言だ」
莉奈「それは私が死ぬ時に分かる事です」
慶喜「何?」
莉奈「わが身が滅びる瞬間、この人生で良かったと思えたら……その人の人生は幸せだったのですよ」
慶喜「そうか?」
莉奈「お金持ちでも、後悔の念があれば…その人は幸せな人生ではなかったと言うことです。悔いのない様に真っ当に生きる事が大事なんです」
慶喜「ふっ!お前は仏かっ!」
莉奈「真面目に話してるのに……」
慶喜「悪い」ケラケラケラケラ
莉奈「地獄に堕ちろっっっ!!!」
慶喜「ふざけるなっっっ!!!」
莉奈「ミサンガには呪いをかけておきます故……」
慶喜「冗談じゃないっっっ!!!」
莉奈「冗談じゃありませんよ」
慶喜「ふっ!お前なら人を呪い殺せるからな!」
莉奈「えぇ。私を敵に回したら不幸しかありませんよ? 逆に私を大事にすれば幸せにしかなりませんから」
慶喜「全くだ」
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町人は私達の話を信じ込み震え上がって居たことは
二人は知らない