未来からの贈り物
莉奈「慶喜は図太く生き抜き、天寿を全うするから心配ない。私が殺されたら……新撰組を宜しくね」
慶喜「ふざけるなっっっ!!!
死なせるものかっっっ!!!」
莉奈「もしもの話でしょ!!!」
慶喜「もしもでもダメだ!!!」
莉奈「慶喜……。私はこの時代にいない人間なの。私の情報は一切ない!!!
私は天女と呼ばれちゃってるし、いつ死ぬか分からない。辞世の句も読めない。 ちゃんと聞いて。 私が死んでも諦めないでね。逃げないでよ?」
慶喜「……………………………。」
ギューーーーーーー
莉奈「それは求めてない!!!」
慶喜「約束する。逃げないと……
だが……お前は死なせない」
莉奈「もしもだってば」
慶喜「本当に愛してるんだ」
莉奈「それにも答えられないってば」
慶喜「土方同様、沖田が死んだら容赦しない」
莉奈「面倒クサイ。私はひっそり暮らしたいの」
慶喜「側室にする」
莉奈「ふざけてるっっっ!!!」
慶喜「だが……お前だけを大事にする」
莉奈「ん〜〜〜。やだ」
慶喜「俺の子を産め」
莉奈「やだ」
慶喜「今から仕込むぞ」
莉奈「最悪……」
慶喜「土方は死ぬのか?」
莉奈「………………………。うん」
慶喜「俺だけが生き残る訳だ」
莉奈「残念です」
慶喜「本当に殺すぞ。だが、皆が死んだらお前は俺が面倒みる。 死ぬ時にこの人生で良かったと思えるのはお前がいてこそだ」
莉奈「やだってば」
慶喜「俺に意見出来る女はお前しかいない。お前がいなければ幕府も存続出来ないだろ?」
莉奈「それは違うし、いい加減離して。」
慶喜「離れていい事はない」
莉奈「私が幸せになれます」
ギューーーーーーー!!!
莉奈「締めるなっっっ!!!」
慶喜「はぁ〜〜〜〜〜〜。愛おしい」
莉奈「死ぬ死ぬっっっ!!!」バシバシ
慶喜「ふっ!面白い奴だ」
慶喜が離れると胸いっぱいに空気を摂り込んだ
莉奈「慶喜…私にとって、慶喜は兄位の存在なの。慶喜は愛せない。土方さんも組のみんなも……。近藤さんは父ですが……」
慶喜「心変わりは人の世の常」
莉奈「天地がひっくり返ってもない」
慶喜「ふっ!言ってろ」
莉奈「私と総司の仲を認めて」
慶喜「それはない」
莉奈「……………………………。
そろそろ稽古の刻だから行きますね」
慶喜「あぁ。行って来い」