未来からの贈り物




莉奈「可哀想だよぉ。」


慶喜「分かった。分かったから泣くな」


莉奈「まだ泣いてない」


慶喜「お前が受け入れたら産んでくれるか?」


莉奈「それはない」


バシッ!
慶喜「本当に可愛げのない奴だ」


側近「慶喜様が此処まで熱を上げるのは初めてで御座いますし、天女なら申し分ない。何故此処まで拒否なさる」


莉奈「私は沖田になりたいんです」


慶喜「徳川莉奈もなかなか良いぞ」


莉奈「沖田莉奈のがしっくり来ます」


慶喜「お前との子が欲しいと申しておるんだっっっ!!!」


莉奈「嫌だと申した筈だっっっ!!!」


側近「仲が宜しくて何よりです」ニコッ!


莉奈「あのね?本当に嫌なの。分かって?」


慶喜「あのね?俺も本当に欲しいの。分かって?」


莉奈「黙れっっっ!!!」


慶喜「お前が黙れっっっ!!!」


側近「息は完璧に合っております」


慶喜•莉奈「黙れっっっ!!!」


側近「ほら……。」


莉奈「天と地がひっくり返って子供だけ産んであげても、結局私は沖田になるんですよ?」


慶喜「子が産まれたら、お前は子から離れない」


莉奈「……………………………。」


慶喜「お前は子を捨てるような薄情な人間ではない」


莉奈「じゃあ天と地がひっくり返ってもあなたの子を産むことはない」


側近「天女に薬を盛って眠らせてはどうでしょう」


慶喜「俺はそれでも構わん」ニヤッ!


莉奈「くそきたねぇ幕府め……。そんな事したら、私が幕府を沈めてやる」


慶喜「お前の話し方のがくそきたねぇだろうがっっっ!!!」


莉奈「しかもまだ貴様は徳川じゃない」


慶喜「お前は幕府を潰せない」


莉奈「日本ごと潰してやるわっ!」


慶喜「ふっ!」


莉奈「私は下関戦で英語を話せる事を証明しましたよね?私がアメリカに付くとは考えないのですか? そして、彼らの前で光って、空を舞い、消えた。

彼らも私を血眼になって探してる筈ですよ? アメリカには何度も行ってますし………」


慶喜「っっっ!!!」


莉奈「無理矢理私を犯し、種を埋め込んだら総司も捨ててアメリカに行くわ」


側近「眠らせる事はいけません!」


慶喜「お前が言い出したんだろう……」


莉奈「私は絶対手に入らないから諦めて」


< 239 / 519 >

この作品をシェア

pagetop