未来からの贈り物
慶喜「……………………………。
死ぬつもりだったのか」
莉奈「……………………………。」
慶喜「答えろっっっ!!!」
莉奈「いえ……。死ぬつもりです」
慶喜「同じことだ」
莉奈「だった……ではなく、戦況が危うくなったら、死にに行きます」
パンッ!
慶喜「ふざけるなっっっ!!!」
莉奈「痛いなっっっ!!!じゃあ、どうすりゃ良かったの? 条約を結ばずにアメリカと戦って日本を潰した方が良かったの?
攘夷集団が狙うのは、私の首だよ」
慶喜「……………………………。」
莉奈「長州がいれば、私が生き残れる可能性が高くなるでしょ。
私だって無駄死になんてしたくないから必死なのよっっっ!!!分からない?」
慶喜「……………………………。」
莉奈「私だって、これからどうなるか分からないのに………!!!
怖いのっっっ!!! 分からない?」
慶喜「……………………………。
客間に行くぞ。 家茂連れて来い」
慶喜は家臣に慶喜を連れて来るよう伝え、莉奈の手を引き客間へ向かった
慶喜「叩いて悪かった」
莉奈「マッジ痛かったからね!!!
まさかお前に叩かれるとはね……。」
慶喜「突拍子もない事を言うからだろ!」
莉奈「何とか……終わらせよう?」
慶喜「分かった」
莉奈「お前に叩かれるとか……。マジないわぁ〜。総司以下の男に叩かれたくないわぁ〜!」
慶喜「悪かったって言っただろう!そして沖田以下じゃない。」
莉奈の頬には見事な紅葉。ジンジンする頬を抑えながら歩く莉奈。
慶喜は一度立ち止まり莉奈の目線に中腰になり、莉奈の手を退けた。
慶喜「悪かった」と、頬を優しく撫でた
慶喜が本気で謝った
莉奈「慶喜が謝った。しかも低姿勢!」
慶喜「……………………………。
もう謝らん!!!」
慶喜はまたスタスタっ歩き出した
莉奈「分かった分かった。ゴメンって〜〜!!!」
莉奈も慌てて後を追う。
莉奈「ゲフッ!!!
急に立ち止まるのやめて!!鼻が痛い」
慶喜はまた立ち止まり、振り返って莉奈を抱き締めた。
慶喜「死なせんぞ」
莉奈「新選組のみんなには言わないで。
特に……総司以上の幹部には……。」
慶喜「…………………。さぁ〜な……」
莉奈「お願い。言わないで。私の為に……死なれたら……生き残れても生きていけないから……」
慶喜「だったら……降伏はするな!!」