未来からの贈り物




それからも、莉奈からの文は沢山届いた。


その度にみんな発狂して大喜び!!!


いつの間にか四箱分になっていた。


たった、小さな紙の切れ端のメモを……

こんなにも、喜んでくれる人達がいるなんて…………


莉奈は幸せ者だ………


莉奈が死んで丁度一年が過ぎた……


天皇から首都を江戸に移し、江戸を東京とするとの達しが来た。


新選組は天皇、及び、将軍の警護が多々あるので東京に屯所を構えるとの事だ


莉奈なら泣いて喜ぶだろう


新選組は莉奈と過ごした屯所、京を離れるのが嫌だった………。


重い空気の中、総司は部屋を片付けていた………。


また文を発見っっっ!!!


【愛してる。 総司!!!

いつも側にいるよ!!! 莉奈】


総司「…………………莉奈…………。」


総司は騒ぎもせず、そのメモだけは懐に入れてある御守りの中に小さく折ってしまった


総司「僕も………愛してる………」



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幕臣になり、江戸へ行き、組に鬼は必要なくなった。


土方は良く、笑うようになった……


山南、左之、新八、一は妻子が出来た


仕事は順調。申し分ない給金も貰ってる。 大半は貯め、いつか莉奈が言っていた旅をしようとしていた。


総司「…………………会いたい………」


莉奈を思い出しては一人、夜空を眺めながら泣く総司


総司「ミサンガへの願いは…………


莉奈を死なせない事にするべきだった……。


僕のミサンガは…………………



一生…………………切れない………」



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また時は流れ、まだまだ莉奈からの文は届く。


書簡の中、春画の間、書物の間……


土方「一体……どんだけ書いたんだろうな………」


総司「有難いです………本当に……。

死んでも……尚、皆に笑顔をくれる…」


土方「ミサンガ……切れないな……。
何を願ったんだ?」


総司「言いませんよ……。叶わない願いでも……ミサンガは私にとって宝なんです。 いつまでも……願っていたい…」




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