未来からの贈り物
近藤「莉奈さん……。天界に比べたら居心地悪いですが……傷が癒えるまでゆっくり過ごして下さい」
莉奈「っっっ!!!此処は………地底世界ですかっっっ!!!」
莉奈の頭は弱かった……。幼い頃から仕事漬けでまともな教育も受けていないし常識もなかった。 誰からも、もてはやされ、近藤の天女と言った言葉も強ち間違いではない。 お姫様扱いされていたから。。。
総司「っっっ!!! やはり天女ですか!!!」
莉奈「天女?」
土方「天界の者なんだろ?」
莉奈「天界………?此処が地底世界なら……そうなりますかね……。
あの……離して下さい………」
土方「あ……。あぁ…。」フワッ!
離れた時に莉奈から放ったボディソープの匂い。
土方「…………………良い香りがする」
近藤「歳………。止めてくれ。」
土方「……………………………。」
莉奈「……………。ん?ショール……。
私の肩にかかっていた物は………」
三人「っっっ!!! し…知らない!」
莉奈「…………そう………ですか。
(気に入ってたのに………。そして寒い)あれがないと………。」
土方「っっっ!!! 共に探してやるから心配するな」
莉奈「…………………はぁ………。
ありがとう………ございます」
三人「……………………………………。
(羽衣があったら……やはり帰るつもりなんだな………隠しておいて正解だった!!!)」
土方「此処は……男所帯だ。幹部が全力で莉奈の身を守るからな?安心しろ」
莉奈「(ビクッ!)いやぁっっっ!」
土方「大丈夫だ……。お前の身に何かあれば、殺してやる………。一つだけ…。
お前の首にかかっているもの………。
キリシタンか?」
莉奈のネックレスを指差す土方。まだ優しかった頃のお父さんから貰ったクロスのネックレス………。
ブチッ!
莉奈「…………………。こんなもの……
いらないっっっ!!!」
莉奈は庭にネックレスを放り投げた
沖田「…………………。大事な物じゃないんですか?」
莉奈は悔しさと怒り、絶望、悲しみの感情が入り混じり、泣き出した………。
何年も何年も歯を食いしばって泣かずに必死に働いて来たのに………。
堰を切ったように数年分の感情を吐き出した。
三人「………………………………。」
土方「続きは明日にしよう。莉奈は腫れてる顔を冷やせ」
近藤、沖田は部屋から出て行った。
廊下に出た二人を追い土方も出た
土方「羽衣は無いと言ってしまったから幹部にも伏せるように言っといてくれ」
総司「はい」
土方は部屋に戻り、桶に張ってある水で手拭いを冷やし、莉奈の頬に手拭いを充てた。
土方「酷ぇ事するな」