未来からの贈り物




莉奈「本気の喧嘩になっちゃいましたよ?」


木刀捨てて殴り合う幹部達。


山南「良いんですよ」


莉奈「…………………何でですか」


源さん「彼処にいるみんなは……みんな莉奈を本気で好いてたからね……。
此処で終わらせないとまた今朝のようになるだろ?」


莉奈「見てるこっちが痛いですよぉ」


近藤「男はな……ぶつかって腹割るんだよ。 普段照れ臭くて言えない事もこうやってぶつかって深くなるんだ。

お前を取られた悔しさと……二人を認めてやりたい気持ちとで戦ってんだよ…。

それでも、絆ってもんがあるからな?
すぐまたいつも通りになるんだ。

疲れてへばった時にはスッキリして笑い出すさ。 終わったらみんなの手当てしてやれよ?」ナデナデ


莉奈「…………………はい………」


とっても複雑………。私のせいじゃん。


莉奈は居た堪れない気持ちで喧嘩を見ていた。


低い張りのある男達の怒鳴り声……。

殴り、殴られ、目尻や口から血が出てるし……引っ掻き傷まで……。


莉奈「巡察もあるのに……………」


山南「莉奈はみんなの分の濡れ手ぬぐいと、笑顔だけ用意しておきなさい」


源さん「終わったらお疲れさん!って言ってやれば良いんだ」


莉奈「……………………はい…………」


莉奈は立ち上がり、井戸へ向かった


井戸までも怒鳴り声が聞こえる……


特に土方と総司の怒鳴り声が凄い。


私って罪な女だわぁ〜〜〜〜〜〜。


「気持ち悪い。何ニヤニヤしてんだ」


莉奈「武田 観柳斎………………。」


武田「武田さんで良いだろ!!!何故お前は俺だけ名前まで呼ぶ!」


莉奈「面白いから」


武田「名前がか?」


莉奈「それも含め、武田 観柳斎自体がですよ」


武田「馬鹿にするなっっっ!!!」


莉奈「組にも笑いは必要です。いつもみんなを和ませてくれてありがとうございます」ペコリ


武田「斬るぞ」


莉奈「今は武田 観柳斎ですら笑えない窮地に立たされているので……失礼しますね……」


濡れた手で武田 観柳斎の額をペチペチ叩いて道場に戻って行った…………………


取り残された武田 観柳斎。


武田「(ワナワナワナワナワナワナ)
クソ女ぁーーーーーーーっっっ!!!」



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道場に戻るもまだ喧嘩中。


あぁ……髪が……髪が……。



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