付き合っちゃう⁇
「お、姉ちゃんいい飲みっぷりだね」
「ハブ酒ってこんな美味しかったんだ」
「うちに嫁に来るかい?そしたら毎日飲ませてやるよ」
「本当に⁉︎ この人にもらってもらえなかったら叔父さんの娘にしてもらおうかな」
「だってよ、兄ちゃん。こりゃ頑張らにゃ」
まず付き合ってねえよと言いたいのをぐっくとこらえ、代わりに酒を流し込む。
あれからホテルにチェックインし、暫く休むと海岸で遊ぶと言い出し、こいつの気が済むまで遊ぶと帰り道に見つけた小料理屋で夕飯を食べようと入った。
するとそこの店主と意気投合して飲み始め、こいつの話振りからすると先程の恋人設定は続いているらしく、あっちも信じ込んでしまった。
「いつ結婚するんだい」
「まだこの人も研修医卒業したばっかの1年目だしもう少し先かな〜」
「へ〜兄ちゃん医者なのか」
「まぁ一応」
「うちのドラ息子にも見習って貰いたいもんだ」
そう言い店主も酒を煽る。
そんなドラ息子の嫁に来いと出会ってばかりの女に言ったのか……信じられん。
それからもこいつの勢いは止まらず店主と何がおかしいのかケラケラ笑いながらハブ酒を始め、地酒など様々な酒を飲み続けること3時間…。
「本当にいい飲みっぷりだ。気に入った、お代はいらねえ!」
「本当に〜? 叔父さん太っ腹〜」そう最後に一言言うと潰れた。
どうらいつの間にか賭けになっていたらしい。