付き合っちゃう⁇
「なに〜?彼女〜?」
「悪い、用事が出来たから帰るわ」
上着を手に取り、ポケットから車のキーを出しつつ玄関に足早に向かう。
「彼女と上手くやれよ〜」
「おじちゃん、頑張って」
「今度は彼女も連れて来てね〜」
そんな声に見送られ、兄夫婦宅を飛び出した。
ハンドルを握る手に力がこもる。
そして、妙な緊張感で胸が高鳴る。
繋いだままの電話からは車内アナウンスが聞こえる。
何かあれば直ぐに話せるはずだ、何も話さないということは何もないということだと思いつつも何かあったらと思うと背中に妙な汗が流れる。
なぜ、自分はこんな感情に支配されているのだろうか、もしかすれば…いや、違う。
1人で葛藤しながら、車を走らせる。