人形





 未来は変わっていたのかもしれないのに・・・。








☆☆☆




 おばちゃんと男の子が屋上へ向かえるエレベーターに乗ったところで、私は現実に戻された。



「・・・大丈夫ですか?由真」



 声が聞こえて、その方向を見ると。



「・・・涼馬くん・・・・」



「そんなところで寝ていると、風邪をひきますよ」



 ・・・あのさぁ。



「そんな毒舌ばかり言わないでよ。
あなた、仮にも私の執事でしょう?」


「・・・わたくしはありのままを言っただけです」



「執事らしくないなぁ。

ところで、翠子は?」



「只今テストを受けておりますので、わたくしが由真を探しに参りました」



「・・・その言い方、なんか渋々来たって感じがするんだけど?」



「気のせいでは?」






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