人形




☆☆☆




「あー・・・疲れたぁ!」



 結果は、ギリギリ合格。


 もっと早く再テストを受けるように、音楽の先生に怒られた。


 そして家に帰ったら帰ったらで、お父様・お母様・お兄様に帰りが遅いと叱られ。




 ついさっき長いお説教が終わり、部屋に帰ってきたところ。




「お疲れ様でした由真。
こちらをどうぞ」



 スッと渡されたのは、高級ティーカップに淹れられた、ミルクティー。



 涼馬くんの淹れた、特製ミルクティー!



「いただきまーっす!」



 音をたてないよう、こくりと飲む。



「美味しい!」



 その後は、お嬢様ということを忘れて、一気飲み!



「ご馳走様!」


「もう少しゆっくりお飲みになってくださいませ。
折角の茶葉の味が台無しでございます」



「だって美味しいんだもの・・・!
どこでこんなに美味しいミルクティーを淹れられるの?」





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