人形
☆涼馬side☆
部屋を出て行った由真を、僕は見送ってから、部屋に入った。
由真の部屋の片隅にある、小さな僕の部屋。
まぁ僕は、由真に仕える身。
仮ですけど。
これぐらいの小さな部屋が、僕には合っている気がする。
ベッドに座った僕は、眼帯と包帯を外した。
毎朝外れないよう、きつく縛るから、結構赤くなっている。
長い前髪で眼帯をしている方の目を隠す。
そのまま、横たわった。
・・・いつになったら、僕は・・・・・。
『どうしたの?
お父さんとお母さんが恋しいかい?』
ふいにあの人の声が聞こえて、目をつぶった。
『可哀想な子だね、君は。
お父さんとお母さんの子どもに生まれなければ、こんな苦しい思いはしなくて済んだのに。
自分の運命を恨みなさいね?』