人形





 悪いけど僕、恨むつもりなんてないから。


 残念だったね。






ガチャッ
バタンッ
ぼふんっ




 ・・・何の音だ?


 僕は眼帯をし直して、扉を少しだけ開けた。




 天蓋付きの高級そうなベッドに、由真が寝ていた。


 ・・・なるほど。


 さっきの音は、扉を開けて、閉めて、ベッドにダイブした音か。



 納得納得。






 再び眼帯を外して、ベッドに寝転がる。


 由真も寝たことだし、僕も寝るか。




「ピピピピピ」



 何の面白くもない、僕の携帯電話に電話が来たことを知らせる音。


 滅多に鳴らないのに・・・一体誰だろう?




 僕はベッドの近くにある携帯電話に手をのばした。





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