人形
ディスプレイに書かれていた名前は、緑。
僕の、数少ない友人。
「・・・どうした?」
『はぁ・・・・』
え?出ていきなりの溜息?
ひどくないか?
「どうした?」
『リョウさぁ、翠子に何教えた?』
「・・・別に何も教えておりませんが?
ついに馬鹿になりましたか?」
『うわっ、ひでぇ!
俺はリョウの数少ない友人・・・いや、親友だと言うのによ!』
「・・・で?用件は何?
由真にばれたくないんだよね、僕のことを」
『・・・それでかぁ』
は?
『翠子がしつけぇんだよ。
俺が知っている限りで良いから、リョウのことを教えてほしいってな』
「・・・多分由真が裏で手をまわしているね。
翠子ちゃんは、由真の親友だし、お互いに信頼しきっている。
由真のために、翠子ちゃんが動いているんだね」