人形




 どうやら緑さんと会話をしている涼馬くん。


 時々、ふっと笑い声がする。


 涼馬くんも笑うんだ・・・。





 って、笑う!?


 嘘嘘!意外なんですけど!?




 私には、見せてくれないのに・・・。







 よく考えたら、私、涼馬くんのこと、何も知らないじゃん・・・。


 彼が、どこから来たのかも、誕生日でさえも。


 私より一つ年上の18歳だということぐらい。





 私は、喉の渇きも忘れて、布団にもぐりこんだ。


 何故か、凄く一人でいたい気分なのだ。




「・・・ふ・・・ふぇっ・・・」




 どうして、こんなに悲しいの?


 どうして、こんなに悔しいの?




 ドウシテ・・・・?






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