人形
「だからな由真。
俺たちの結婚式は、洋食を出そうと思う。
ウェディングケーキなんてものがあるらしいが、俺はケーキが好きじゃねぇからな。
ケーキなんて甘ったるい食べ物より、超特大ハンバーガーを出そう。
本場アメリカから超特大ハンバーガーを取り寄せて、飾れば良いんじゃねぇか?」
結婚式に超特大ハンバーガーを出そうとしているし。
っていうか、どーして私が健太と結婚する前提になっているのよ!
可笑しくないか、その状況は!
「あ、あの健太さん。
私、前に断ったはずですよ?
あなたと結婚はしない、と」
「照れなくても良いんだよ?
俺と由真は結婚する運命だ。
この運命は、誰にも変えられないよ?」
「そ・・・そんなことないですよ。
運命は、変えられるものだと思いますけど・・・」
「馬鹿なことを言うんだね君は。
大人しく俺の言うことを聞いておけば良いのに」
嫌だよ、言うこと聞くなんて。
「まぁ良いや。
俺、これから合コンの予定なんだ。
遅刻するとマズいからさ。
じゃーね、俺の可愛い由真ちゃん?」
ニヤニヤ笑みを浮かべながら、健太は行ってしまった。