人形
私の知らない真実が、
次々と明かされていく。
「これ以上俺の口からは言えないな。
この後は、由真ちゃんが調べな」
「ちょっとお兄ちゃん!?」
沢木兄妹が言い合いを始めたので、私は帰ることにした。
「どうされましたか由真お嬢様」
「お父様と話したいの。
今すぐ通してくれるかしら?」
「かしこまりました。
只今確認して参りますので、少々お待ちください」
お父様の執事が、お父様の部屋に入るのを見た私は、携帯電話を取り出して、涼馬くんへ送るメールを打ち出した。
【いきなりごめんね。
緑さんからメアド
聞いたの。
緑さんは何も
悪くないから。
責めないであげてね。
今、どこにいるの?
何をしているの?
すぐ帰ってきてくれる?
主人命令よ。
理由を聞かせて。
そうしたら、どこへでも
行って良いから】