人形
私が驚いてお母様を見ると、お母様はマジマジと涼馬くんを見つめていた。
「あなた・・・都築涼馬くん?」
「そうです」
涼馬くんが答えると、お母様はそのまま静止した。
「お母様?」
「涼馬くん、足後遺症残っているんでしょう?
隆也さんから聞いているんだけど・・・」
「・・・はい」
「それなのにわたしを助けてくれて・・・。
ありがとう、でも大丈夫?」
「奥様が心配されることは何もございません。
危ない場面に出くわした時は走れるよう、ちゃんとしておりますから」
そうなの?
準備良いのね。
「もしかして涼馬くんは由真ちゃんの執事さん?」
「そうよお母様。
まぁ執事って言っても、彼は見習いだとお父様は言っていたわ」
「そうなの。
元気そうで良かったわ。
由真ちゃんをお願いするわね?」
元気そうで良かったわ?
知り合いなのか、この2人は。