人形




 あの事件の被害者が、涼馬くんのご両親!?


 そして、あのおばさんが、涼馬くんの叔母さん!?



 それに、あの男の子が・・・。







「真相は現在も不明な点が多い。
全て知っているのは、あの事件の被害者である、涼馬くんのみ」


「え・・・ちょっと待って、お父様。




涼馬くんがこの屋敷に来た理由、復讐とも捉えられるじゃない?」






 だって、涼馬くんのご両親の亡くなった原因が、私や、あの警備員さんなのよ?


 泉を恨んでいたって、納得がいく。




「どうして彼を私の執事にしたの!?」



 私は、あの事件に関わった人間の1人。


 私に復讐したいと感じても、可笑しくない。




 だって、全ての発端は、叔母さんを屋上まで案内した私。


 あの時の少年、涼馬くんの表情を見る限り、犯人はきっと叔母さん。


 叔母さんが、涼馬くんのご両親を呼び出したとしても、違和感がない。







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