人形
リョウは、もう着いてこないでと言うように、怪我して不自由な足を引きずりながら、行ってしまった。
暫くボーッとしていた俺は、急いで追いかけた。
馬鹿な俺だから、間違っている考えかもしれないけど。
リョウ、あいつ、もしかして・・・!!
急いでリョウを追うも、丁度来たバスにリョウは乗り込み、行ってしまった、
このバス停に停まるバスは、色々なところへ行くため、行き先は不明だ。
「・・・由真ちゃん!」
俺は家へと走りながら、リョウへ電話をかけた。
しかし、電源は完全に切れてしまっている。
『もしもぉし?』
「翠子か!?
今すぐ由真ちゃんの電話番号を教えてくれ!」
『はぁ?
どうしてお兄ちゃんに教えないといけないの?』
「良いから、頼むよ!
こっちは急用なんだ。
教えてくれたら、何でも翠子の言うこと聞くからさ!」