人形




『本当に何でも?』


「勿論だ!
思い出してみろ、翠子。

俺が1度でも、お前に嘘ついたことあるか?」


『・・・ないね』



「だろ?
だから教えてくれ!!」



『090・・・』



 翠子が教えてくれた番号に、かけてみる。



『もしもし・・・?』


 警戒している声が聞こえる。


「由真ちゃんか?
俺、沢木緑。
翠子の兄だけど!」



『緑さん?
どうして私の番号・・・』



「翠子に聞いた!
由真ちゃん、今どこだ?」



『お家ですけど・・・?』



「今から行くから!」



『え!?
ちょっ、緑さん!?』



 俺は一方的に電話を切り、泉家へ走り出した。







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