人形
☆由真side☆
緑さんからの電話が切れて、数分後。
緑さんはやってきた。
めっちゃ呼吸が荒いから、多分走ってきたのだろう。
ってか、何の用でしょうか?
「ごめん!」
すぐに呼吸が元通りになった緑さんが、いきなり90度に頭を下げた。
って、何!?
「俺、由真ちゃんに嘘ついてたわ!」
「あ、あの緑さん?
言っている意味が、わからないんですが・・・」
「お願いだ由真ちゃん!
リョウを、助けてやってくれ!」
リョウって、涼馬くん?
助けてって、どういうこと・・・?
「俺、リョウに言われたんだ。
僕が考えたシナリオ通りに、動いてくれないかって。
もし緑が動いてくれたなら、緑が望むもの、渡すからって」
これ、脅迫とも受け取れるんじゃ・・・。
ぅおっほん。
まぁ、聞かなかったふりをしておきましょう。