人形




☆涼馬side☆



 あの時、僕は小学6年生だった。


 いつも通り、学校から家に帰る途中、僕は誘拐された。


 黒い帽子をかぶり、黒い服を着て、傷んでいる茶色い髪をした知らない女の人。


 抵抗する暇もなく、僕は車に乗せられ、連れて来られたのは、人のいない、使われていない倉庫だった。



「涼馬くん?ここで待っているのよ?」


「おばさん、誰・・・?」


「ふふ・・・後にわかるわ」


「ねぇ、僕は何をしたの?」


「あなた自身はなにもしていないわ。
ただね、あなたには大きな罰を受けてもらいたいの」


「罰・・・?」


「そう。

お前が今こうなったのは、全てお前の責任だ。
ここには色々な道具があるけど、死ぬなんて許さないから。

お前には、もっと大きな罰を受けてもらうから!」



 ドスの効いた声で、おばさんは僕に囁いた。


 僕は無言で、コクンと頷いた。





 3日後。


 僕は再び、車に乗せられた。


 目隠しされていて、行き先はわからなかった。






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