人形





 そして、そのまま、飛び降りた。



「・・・父さん、母さん・・・・?」


「あらら、飛び降りた。
意外に単純で馬鹿なのね」



 涙を流しながら微笑む叔母さんを見た僕は、叔母さんを睨みながら一気に話し始めた。



「死んでと言ったのは叔母さんなのに、どうして泣いているんですか?
泣くのなら、死んでと言わなければ良かったのに。
どうして今更後悔しているんですか!?
後悔するのなら、言わなければ良かったのに!

言わなかったら、母さんも父さんも死ななかったのにッ!!」



「・・・うるさいうるさいうるさい!
あんたみたいな餓鬼に、どうしてアタシが説教受けなくちゃいけないのよ!

大体、あんたがいるから、アタシは幸せになれないの!
それがあんたの犯した、最大の罪よ。

良かったでしょ?
アタシが用意した、最高のシナリオ。
実はね、まだ終わっていないの。

お姉ちゃんもお義兄さんも馬鹿よねぇ。
死んだって意味ないのに。

いつ、アタシが涼馬くんを殺さないって言った?」



 心底楽しそうに涙をひたすら流しながら言った叔母さんは、




 僕を抱きかかえ、



 モノのように、









 僕を下へ投げ捨て、





 自分も飛び降りた。













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