人形
同じ部屋
私は涼馬くんを部屋へ連れてきた。
お父様の部屋を出て、2階からエスカレーターに乗り、5階へ向かう。
因みに私の家は10階建て。
丁度真ん中に私の部屋はある。
お兄様の部屋もこの階にある。
「どうぞ」
「失礼いたします」
まだ高2の少女が暮らすには広すぎる部屋。
ピンクと白の家具で統一している。
よく見れば、奥に朝はなかった小さな個室があり、扉を開けると、想像通り涼馬くんの部屋らしかった。
いつの間にこんなの作ったのよ。
作るの早いのね。
「ここが部屋らしいわ」
「はい」
「はい段ボール。
軽いから、持てるはずよ?」
「ありがとうございます」
段ボールを受け取った涼馬くんは、段ボールを部屋の中に置いた。