人形




 両親と叔母さんは、全身を強く強打して亡くなった。


 僕は、何故か生き残った。


 意識不明で、5か月ぐらい眠ったままの状態だったけど。


 事件の内容を知り、ショックと罪悪感で倒れ、母さんと叔母さんの両親、僕の祖父母にあたる人物は、そのまま亡くなった。


 唯一の間宮の人間である僕は眠ったままなので、間宮は没落した。






 僕は奇跡的に回復したが、右目には深い切り傷を負い、右足は再起不能なほど複雑に骨折していたため、常に眼帯と包帯を使うようになった。


 まともな状態になり、僕は中学へ向かった。




 まとも、と言っても歩けるようになっただけ。


 当然先生は僕を贔屓した。


 僕を遊びに誘うものなら、すぐに叱られた。


 他の人が傷つくのが嫌だったから、僕は休み時間や体育の時間を、本を読んで1人で過ごすことにした。


 当然、僕は孤立した。





 そんな僕の前に現れたのが、由真の父親・隆也様だった。



 父さんの仕事が絡みで、会ったことある。



「涼馬くん、事件のことは聞いた。
涼太たちを殺したのは、僕の責任でもある。
罪を償いたいと思っている。

僕のもとへ来ないか?」






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