人形





☆由真side☆



「どうでしたか?由真」


 ふっと微笑む涼馬くん。


「わたくしをクビにさせてもよろしいのですよ?
あなたからのメールにも書かれておりましたが、あなたはわたくしの主。

わたくしをやめさせるなど、勉強よりも簡単なはずでは?」



「確かに簡単ね」



 お父様にやめてほしいと言えば、即クビだわ。





 ・・・でもね?



「そう簡単にクビにしないわよ?」


「そうですか・・・」



「クビになるのを喜ぶ人は、涼馬くんぐらいかもしれないわね」



「そうかもしれませんね」



 ふふっと、涼馬くんは乾いた笑い声を漏らす。


 完全に作り笑い。




「その笑顔、やめない?
見ていると、あの叔母さん、思い出すの」



「そうですか。
失礼いたしました」






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