人形






「あなたが今ここで私を殺したとする。
でも、あなたは後悔しない?

殺さなければ良かったと後悔しない?」



「・・・」



「後悔しないなら、好きにすれば良いわ」



「・・・」



「私は別に殺されても良いわ。
本当は嫌だけどね。
でも、強盗とかに殺されるよりは良いわね。

だって、
好きな人に殺されるほど、良いことはないわ」



「・・・え?」



 表情の殆ど変わらなかった涼馬くんの表情が、驚きに染まった。


 これが驚いた顔か・・・。


 うわぁ・・・激レアじゃない!?






 私はこっそり、目に焼き付けた。






「どうしたの?」


「いえ・・・何でも、ありません」


「そう?
何でもないの?
酷いわねぇ・・・。


私の初告白、無視したの?」











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