人形
でも、私は・・・。
「じゃあ由真ちゃん、行けないわね」
ってことになるよね・・・。
「由也くん、気を付けてね」
「お兄様、行ってらっしゃい。
雅美さんのこと、任せたよ」
「おぅ、行ってきます」
お兄様は大学生だから、夜遅く出歩いても、多分大丈夫。
免許も持っているし。
護身術も学んでいるから。
でも私は高校生だから、車の免許なんて持っていないし、護身術なんて学んでいない。
もし病院への行き途中で悪い奴らに会ったら、最悪だ。
絶体絶命の大ピンチ。
でも・・・。
「お母様、私行きたい」
「駄目って言っているでしょう?」
「わかっているよ。
でも、私行きたいの。
涼馬くんのこと、心配だもの」